第13話星図にない駅終電のあとに来る列車がある、と教えてくれたのは検札の老人だった。「切符はいらないよ。ただし、降りる駅の名前を、ちゃんと星のことばで言えるならね」宵はポケットの中の手紙を握りしめた。封筒の裏には、小さく銀のインクで駅の名が記されている。読よみ方なら、もう練習してきた。ホームの時計が零時を三分過ぎたとき、線路の先にあかりが灯った。音もなく滑り込んできた列車は、窓のひとつひとつに違う季節の夜空を映していた。「お乗りなさい」と老人が言った。「その手紙は――最後まで読む(デモ:スクロール到達)